無痛分娩での出産

硬膜外無痛分娩中の過し方と注意点

1.入院後、カテーテルを挿入する処置を行います

カテーテルを入れる場所は無菌状態です。感染を防ぐために、麻酔科医はマス
クを着用し、滅菌した手袋をつけてすべての処置を行います。
このとき、横向きで膝を抱えるような姿勢になっていただいて、背中を十分に消毒して皮膚の表面
に局所麻酔を行います。カテーテルを挿入するまで数分間、同じ姿勢でいていただきます。
局所麻酔の注射は軽い痛みがありますが、その後の処置は違和感や圧迫感のみで基本的に痛
みはないものです。このときに強い痛みや電気が走るようなしびれを感じた場合は我慢なさらずに
すぐに教えてください。

また、点滴を開始しますが、これは陣痛促進剤を後ほど使用するためと、水分の補給のため、また
麻酔の効果で一時的に血圧が少し下がる可能性があるためです。血圧の測定も行い、適宜安全
の確認をしていますので安心して処置をお受けください。

2.カテーテルからお薬の注入を開始したら、ベッドの上でお過しいただきます

これは、起き上がったり腰を曲げたりといった動作でカテーテルの位置がずれて抜けてしまったり、
別の場所に入り込んでしまうことをさけるためです。ベッドの上では自由にお過ごしいただけます
ので、じっとしている必要はありません。

皆さんテレビを観たり、本を読んだり、ご家族とお話されたり、と思い
思いの時間を過ごされています。
トイレにも歩いていくことはできませんので、定期的に管で尿を採り
ます。これは、麻酔が効いていないと痛みを感じますが、麻酔が効
いている状態では痛みは感じませんのでご安心下さい。

3.お産の進行具合にもよりますが、基本的に食事を控えていただきます。

これは、大きくなった子宮で胃や腸が圧迫されている状態で麻酔のお薬の作用も加わり、食事を
することで吐き気などを催す場合があるためです。
点滴で水分や糖分、ミネラルの補給はされていますので、脱水や低血糖にはなりませんのでご
安心ください。

4.分娩第二期が、自然分娩と比較すると若干長くなる場合があります

子宮の入り口が10センチまで開き(子宮口全開)、赤ちゃんが生まれてくるまでの時間を分娩第二
期と言いますが、この分娩第二期が、自然分娩と比較すると若干長くなるというデータが出ています。ただし、時間が長くなることで即デメリットを生じるということはありません。アメリカ産科婦人科学会
は、無痛分娩での分娩第二期にかかる時間の正常上限を自然分娩での時間の1.5倍に定義してい
ます。
無痛分娩は、ゆっくり進行する、と考えていただくとわかりやすいかもしれません。

5.器械分娩について

赤ちゃんが出てくるときに、産道が狭い、赤ちゃんの頭の向き、あるいは、陣痛の強さが足りないなどの理由で、赤ちゃんが出てくるのをお手伝いする方法があります。これを器械分娩といいます。 吸引分娩と鉗子分娩という二つの方法がありますが、このいずれかの方法での器械分娩となる確率が自然分娩と比べると約30%上昇するという報告があります。

自然分娩で器械分娩になると痛みのために器械がうまくかからず時間がかかったりする場合がありますが、無痛分娩が十分効いている状態では器械がかけやすいというメリットもあります。

また、無痛分娩にすると帝王切開になりやすいのでは?という不安をお持ちの方が多いと思いますが、無痛分娩と自然分娩を比較して無痛分娩にすると帝王切開になりやすいというデータは現在ありませんのでご安心ください。

6.カテーテルを抜去

出産後はカテーテルを抜去致します。これは、カテーテルからの感染を防ぐためです。

7.出産後はしばらく分娩室で様子を観察します。

出産後は自然分娩、無痛分娩にかかわらずしばらく分娩室で様子を観察します。お部屋に戻るときには念のため車イスでの移動となります。
また、最初にトイレに行く時は、看護師が付き添います。食事は、飲水をして吐き気などなければ軽いものから始めていただきます。

自然分娩とは異なる点もありますが、いずれも麻酔の効果や安全性を考慮してのことですので、ご理解いただきたいと思います。

8.硬膜外無痛分娩が禁忌(行えない)となる場合があります

無痛分娩は基本的に希望される方は全て適応となりますが、次のような方には硬膜外麻酔が行えませんのでご注意ください。

  • 1)血が止まりにくくなる薬(抗凝固薬)を服用されていたり、血液中の血小板(けっしょうばん)の数が極端に少ないなど、血液の凝固機能に異常を認める方
  • 2)脳や脊髄神経の疾患のある方
  • 3)脊椎(背骨)の手術をしたことのある方
  • 4)背中のカテーテルを挿入する場所の皮膚に感染のある場合
  • 5)大量に出血している場合

上記のいずれかに当てはまる場合は、外来受診時に必ずお申し出ください。
(問診でも詳しくお尋ねします。)

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